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2021.12.07

世界初!?オランダ式の高規格ハウスでの遠野パドロン栽培

露地からはじまった遠野パドロン栽培

スペイン視察を終え(スペイン視察についての記事はこちら)、スペイン原産のパドロンの日本での栽培に可能性を感じた社長の吉田ですが、最初は今のように大規模な栽培は行っていませんでした。

まずは種を入手するところからスタート。ヨーロッパの種苗会社に問い合わせ、なんとかパドロンの種の入手に成功しました。

そして、遠野で初めての “パドロン” の露地栽培を開始しました。
数年栽培を続けると、唐辛子の一種でもあり、気づくとすぐ激辛になってしまうパドロンの栽培のコツを少しずつ掴みはじめます。

遠野パドロン露地栽培時代の様子

もっと野菜との対話の時間をつくれるように-オランダ式大規模ハウス栽培の導入-

しかし、楽しくて始めた農業だったはずが、パドロンをはじめとした野菜の栽培に慣れてきた頃、いつの間にか毎日の作業に追われ、野菜と向き合う時間がどんどん減ってしまっていることに気づきました。

そこで考えたのが、大規模農業の先進地である、オランダ式の高規格ハウスの導入でした。

スペイン視察と同時にオランダを訪問していた吉田は、現地での大規模ハウス栽培の様子も学んできました。

“大規模農業” や “コンピュータ制御” と聞くと、機械に任せきりな、マイナスなイメージを持ってしまう方もいるかもしれませんが、吉田の考えは違います。

水やりや扉の開閉による温度調整など、人間でなくてもできること・人間よりも機械のほうが得意なことを任せることで、毎日追われるようにこなしていた ”作業“ の間に余剰時間ができ、その分毎日の野菜の成長に真摯に向き合う事ができるようになります。

機械に任せるとはいっても、最後は人の手での微調整が必要になることもあります。

しかし、作業に追われる生活になってしまうと、その微調整や工夫さえも考える暇がなくなってしまうのです。

上述の栽培法を取り入れることで、以前よりも野菜と対話する時間が増え、こんな工夫をしてみたら、もっと美味しい・高品質な遠野パドロンが育つのではないかと、新しい取り組みへのアイデアが出たり、実践できる時間もつくれるようになりました。

オランダ式ハウス栽培の様子

2020年には、パドロンにとって害虫になる虫を食べてくれる、別の虫を活かした新しい減農薬の方法を試すこともできるようになったりと、さらに安定した品質で、安心・安全な、こだわりの遠野パドロンを皆様のもとへお届けできる体制づくりを進めることができました。

生産者にも優しい農業を目指して

オランダ式のハウス栽培の導入は、野菜に向き合う時間をつくりだしただけでなく、生産に関わる人達にも優しい農業になりました。

露地でのパドロン栽培は、収穫の時などにどうしてもかがみ込むような姿勢になってしまい、足腰に負担がかかっていました。しかし、オランダ式の栽培を取り入れ、写真のように高所作業車を活かすことで好みの高さで収穫作業などができるようになり、これまでよりも生産に関わりやすくなりました。

高所作業車での収穫作業

ハウス内の仕事は、幅広い年代のパート・アルバイトさんにも協力してもらっているのですが、多くの方にとって、これまでよりも農作業に携わりやすい環境ができたのではないかと感じています。

これはパドロンの栽培に限ったことではないですが、従来よりもより農業に関わりやすい環境を作り出すことができれば、担い手不足と言われる農業界でも、もっと若者に興味を持ってもらえるようになるのではないかと考えています。

オランダ式の大規模ハウスでのパドロン栽培は、おそらく世界初なので、安定して栽培するにはまだ課題がありますが、少しずつ改良していきながら美味しい遠野パドロンを皆さんにお届けできるようにしていきたいです。

 

実際の栽培の現場を見てみたい!という方は、遠野パドロンの収穫期(春先から12月まで)に遠野パドロンの収穫体験などを実施していますので、ご参加お待ちしております♪

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