ストーリー ブログ
2021.12.07

運命を変えたスペイン視察―魅惑のバルホッピング文化とパドロン農家探し―

美食の街スペイン・バスク地方で出会ったバル文化の魅力

2012年、社長の吉田は遠野とも深い関わりのあるKIRINの「東北復興・農業トレーニングセンタープロジェクト」に参加し、仲間と共に、オランダとスペインへ海外研修に来ていました。今回はパドロンの本場・スペイン視察の時のお話です。

 

スペイン視察の目的はバスク地方を訪れることでした。スペインのバスク地方は「美食の街」として知られ、バルめぐりがとても人気だそうです。

スペインバルでよく見かける、一口サイズのパンの上に肉や魚介類などを乗せて串をさしたピンチョスは、バスク地方の名物料理でもあります。

どのバルにもカウンターにはパドロンの素揚げが並び、スペインでのパドロンの知名度の高さを実感しました。

街にはバルが連なるように並び、それぞれのバルには名物料理があります。一軒目ではタコの料理、二軒目ではスペインオムレツというように、それぞれのバルで少しづつ飲んで食べて、次のバルへ向かう、スペインらしい風景が広がっていました。

サッカーの試合を観戦できるスポーツバーのようなバルもあり、地元チームを応援する熱気に包まれながら一緒に観戦したことも忘れられない一時でした。

スペインピンチョス見本

 

 

アポ無し単独でパドロン生誕の街へ!指差しスペイン語会話を片手に、農家さん探し

 

バスク地方を後にした吉田は、仲間たちと別れ、一人でガリシア州にあるパドロン地方へ向かうことを決めていました。パドロンはスペインの「パドロン」という街で栽培されていることから、そのまま野菜の名前として定着しました。

噂に聞き、視察の前に日本で試験的にパドロンの露地栽培を始めてはみたものの、スペインでどのようにして栽培され、食べられているのかなど、知らないことだらけ。

これからパドロンを本格的に栽培するとしたら、本場のパドロン栽培の様子や味を、実際に確かめてみたいと考えていました。

 飛行機と電車を乗り継いで、なんとかたどり着いたパドロン地方。

実は、この時点で農家さんとの繋がりはなく、スペイン語が話せるわけでもなかったのです。

言葉も通じない見知らぬ土地で農家さんを探すのは、今思うと無謀な行動ですが、その土地の名前がついているくらいだから、すぐに栽培の現場を見られるのではないかと甘く考えていました。 

頼りにしたのは、手元にあった、指差しで会話ができる旅行者向けのスペイン語辞書だけ。まずは作戦を立てねばと、近くのカフェを探すことにしました。

しかし、見つかったのはまるで西部劇に出てくるような木枠の入り口の、薄暗い飲み屋のようなお店だけ。勇気を出してお店の中へ入ってみると、そこには昼間からお酒を抱えて談笑する地元の人たちがいました。

当時パドロン地方ではアジア系の観光客が珍しかったのか、入店した瞬間に自分に目線が集まるのを感じました。

奥に足を踏み入れることを一瞬躊躇するも、席につくと、メニューに「コーヒー」の文字を見つけなんとか注文。

コーヒーが運ばれてきたタイミングで、「指差しスペイン語会話辞書」とスマホの辞書を活用しながら、「このあたりにパドロン農家さんはいますか?」と店員さんに尋ねることに成功しました。

 だいたいの方角を教えてもらうと、大きな紙に「パドロン農家を探しています」と書いて、ヒッチハイカーのように、その方角へと歩きだしました。

 

ついに出会えた、本場のパドロン農家さん

町中を歩いていると、またしても地元の人たちの視線を感じ、内心は早く帰りたいと思い始めていました。

しかし、ここまで来て諦めるわけにはいかない。

そんな想いが功を奏したのか、しばらく歩いているうちに奇跡的にも60代ぐらいのご夫婦のパドロン農家さんに出会うことができました。

このご夫婦が息子さんと一緒に家族でパドロン栽培をしていることが判明。息子さんが少し英語を話せたため、身振り手振りも交えながら「うちがこのあたりで一番大きい農家だよ!」と教えてくれました。

吉田とスペインのパドロン農家さん

突然の訪問にも関わらず、親切にお茶を出してくれ、栽培現場まで連れて行ってくれました。その日一日付き合ってくれ、畑の様子を見せてくれたり、他のパドロン農家さんのところへも案内してくれました。

せっかくここまで来たのだからと、夜には地元のバルにも立ち寄り、本場のパドロンも味わいました。マドリードやバスク地方で食べたパドロンも美味しかったのですが、産地で食べるパドロンは、生産者の方に会えた高揚感もあってか、格別なものでした。

振り返ると行きあたりばったりな本場視察でしたが、あの時奮い立たせた勇気が、今の遠野パドロン栽培へと繋がっています。

 

スペインバル文化と遠野ビアツーリズムの誕生

 

そんな行き当たりばったりなスペイン視察でしたが、濃厚な経験となってその後の遠野での活動に繋がっていきます。

いくつも立ち並ぶバルを「ホッピング(飛び跳ねる)」する「バルホッピング」は、日本で言うハシゴ酒のような文化。

 このスペインらしい文化に根づいた、おつまみ野菜のパドロン。

パドロンと、バルホッピングの楽しさと高揚感を、ここ遠野を起点に日本でも生み出していきたいと考えています。

本場スペインの「バルホッピング」文化に習い、私達BEEREXPERIENCE社が運営する遠野ビアツーリズムの乾杯の言葉は「レッツ、ホッピング〜」!

 

ホップ畑で乾杯

現在は新型コロナウイルスの影響で一時的に募集を中止していますが、遠野の町中のお店をまわる遠野ナイトビアホッピングはスペインのバルホッピングのような楽しさを体感していただけるプランになっています♪

遠野パドロンの収穫可能時期(春先から)には、遠野パドロン収穫体験も実施中ですので、そちらもぜひご検討くださいませ。

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BEER EXPERIENCE株式会社

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電話番号: 代表 050-8880-1870、ビアツーリズム専用 050-8880-1872

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